1.企業の格付けとは
 銀行は数年前から、貸出先企業についてランク付けを行い、リスク管理をしています。このランク付けにより企業は「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」と選別され、貸し渋り、貸し剥がしが行われてきました。
債務者区分

債務者区分 内容
A.正常先  業況が良好であり、かつ、財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者をいう。
B.要注意先  金利減免・棚上げを行っているなど貸出条件に問題のある債務者、元本返済若しくは利息支払いが事実上延滞しているなど履行状況に問題がある債務者のほか、業況が低調ないしは不安定な債務者又は財務内容に問題がある債務者など今後の管理に注意を要する債務者をいう。
C.破綻懸念先  現状、経営破綻の状況にはないが、経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者をいう。
D.実質破綻先  法的・形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状況にあると認められるなど、実質的に経営破綻に陥っている債務者を言う。
E.破綻先  法的・形式的な経営破綻の事実が発生している債務者をいい、例えば、破産、生産、会社整理、会社更生、民事再生、手形交換所の取引停止処分等の事由により経営破綻に陥っている債務者を言う。

 これらは平成10年4月に政府が金融機関に対して発効したBIS規制から始まっています。このとき、金融機関に対して金融検査マニュアルというものが作成され、各金融機関はそれに基づき貸出先の評価をしています。



債権の分類区分

分類区分 定義
I 分類 「II分類、III分類及びIV分類としない資産」であり、回収の危険性又は価値の毀損の危険性について、問題のない資産。
II 分類 債権確保上の諸条件が満足に充たされないため、あるいは、信用上疑義が存する等の理由により、その回収について通常の度合いを超える危険を含むと認められる債権等の資産。
III分類 最終の回収又は価値について重大な懸念が存し、従って損失の発生の可能性が高いが、その損失額について合理的な推計が困難な資産。
IV分類 回収不可能又は無価値と判断される資産。
2.対策は?
 中小企業側としても、このような状況を踏まえ、格付けを上げるような対策をしないといけません。当事務所にお気軽にご相談ください。