企業再生の法的措置
 できれば企業価値の劣化が少ない私的整理による過剰債務の解消が望ましいのですが、それが困難な場合は、2000年4月より利用ができるようになった民事再生手続き等の法的整理を活用して、過剰債務を解消し、企業再建を目指すことが考えられます。
1.企業再生のための法的手続きのメリットとデメリット

メリット

  1. 債権者の多数決により再建可能
    ・民事再生(中小小企業向け)では、債権者集会への出席債権者の人数の過半数、かつ総債権額の50%以上の賛成で可決。
    ・会社更生法(大企業向け)では、更生債権については、3分の2以上、更生担保権については、4分の3または、5分の4以上で可決。
  2. 弁済禁止の保全処分等により、資金流出ストップ
  3. 処理の透明性、公平性が高く、金融機関等から承認が得られやすい。

デメリット

  1. 事実上の「倒産」による信用不安を引き起こし、企業価値の劣化による収益力の低下をもたらす。
  2. 銀行取引が事実上ストップするので、新規の資金調達が困難な中での再建となる。
  3. 手続きに時間とコストがかる。
  4. 手続きに失敗したときは、原則として破産に移行することになる。
2.法的手続きの種類

 法的手続きには、清算型と再建型があり、再建型としては、民事再生、会社更生法、会社整理があります。

清算型

  • 破産
  • 特別清算

再建型

  • 民事再生  2000年4月より利用可能
  • 会社更生  改正予定
  • 会社整理  将来的に廃止の予定