相続のホームドクター30選

相続の生前対策編 前提条件①「土地の評価を調べよう」


相談者


最近、相続が老人税や争族税などとクローズアップされています。
万が一我が家に相続が発生した場合に備え、生前における対策の基本的なことを教えてください。


相続税のホームドクター


生前における相続対策の重要なポイントはいくつかあります。
相続税の計算の仕組みを前回までで大体理解できたと思いますので、相続税が一体いくらぐらいか、概算ででも知っておくべきです。

まず、相続財産の約60%が土地であることから、土地の相続税評価額を調べることから始めます。
特に土地は、利用状況により相続税評価額が大きく変わるので注意が必要です。
相続税が少なくなる特典も多くありますので、しっかりと検討します。
さらに、金融資産、いわゆる預金や株で相続税の納税が出来るか。
また、生命保険金、死亡退職金、遺族年金等から納めることができるかの確認も大切です。

次に、相続税は、相続の発生時点での被承継人(相続する人…通常は親)すべての財産(遺産)に対してかかるので、生前における資産状況を調べます。

相続税額の大体の目安が掴めたら、相続税を実際に納めるのは、相続により遺産を引き継いだ相続人であることから、相続人は相続税を納めることが可能か、残された遺産で遺族の生活に影響はないか、何か効果的な生前対策はないかなどの検討をします。
特に、相続税の負担とその他固定資産税などの負担が、将来の一家の家計にどのような影響を及ぼすか考えなくてはなりません。
また、相続発生後の相続税のことだけでなく、財産を誰に相続させるかも決めておきましょう。

一番肝心なことは、被承継人本人がそれぞれの対策においてきちんと理解することです。
本人にその意思があったかどうかが、客観的に問われることになります。
また、今後、法律が変わることもある ので、専門家の意見も聞いておきましょう。

以上が相続の生前対策の基本的なポイントです。次回からは、もう少し具体的に考えていきましょう。



※平成30年4月1日現在の法令に基づいて作成しております。