相続のホームドクター30選

相続の生前対策編 前提条件②「5つのポイント」


相談者


相続の生前対策で重要な点を教えてください。


相続税のホームドクター


生前における相続のポイントは、それぞれの財産の内容や、規摸、相続にかかわる人等条件によって変わりますが、一般的に五つのポイントがあると言われています。

それは(一)後継者づくり(二)財産(資産)のあり方を変える(三)生前における財産分け(四)相続税を納める資金の確保(五)トラブル(争族)の防止、の五つです。

まず、(一)については、相続する人(親)からすれば、後継者(相続人=妻や子供等)が、その財産をきちんと将来に亘って守れるかどうか心配なことが本音ではないでしょうか。

高齢化が進む中、特に経営の相続ほど後継者づくりが重要です。
事業をされている場合、のれんの信用と同じように、土地が担保(債務)となっているケースも多くあります。
このような事から、後継者への土壌づくり、育成と教育、交代時期等が、相続する人の責任でもあります。

次に(二)については、その財産の利用状況を変えることにより(特に土地や同族会社の株式等)、相続税がかかる金額が低くなるケースがあります。

(三)については、方法として贈与、売買等があります。
この場合の注意点は、贈与税や手続にかかわる費用等財産をもらった側の負担を考えておかなくてはなりません。財産別に、誰に、いつ財産分けをするのかも大切なことです。

(四)については、現在の収入の増減・生命保険加入状況・退職金の額等を計算し、現預金での納付が可能かどうかを考えます。
納付が困難な場合には、相続税の延納や物納も考える事となります。

最後に(五)のトラブル防止についてですが、一番多いのは、遺言書を作成されるケースです。
この遺言書により、相続する人の生前における財産分けの意思を、後世に残すことが出来ます。
遺言書の作成と毎年の見直しが大切です。

いずれにしても、この5つのポイントが相続する人の生前のはっきりとした意思に基づく対策実行の重要な鍵となります。


※平成30年4月1日現在の法令に基づいて作成しております。